2010年12月22日

第7話 ベリーグッド・カープ?・・・高尾淳のパキスタン紀行

猪木指令!大晦日IGFvsK-1頂上決戦ジョシュ×アリスター戦を目指しIGF幹部が緊急渡米

第1話からのバックナンバーはこのタイトルロゴをクリック
pakistanlogo2

第7話 ベリーグッド・カープ?

  フレッシュなチキンを食べ、フレッシュな羊から逃れた翌日。

 「センセイ・グッドフィッシュタベマス」

 「はあ? グッドなさかな?」

  本日、彼の言葉の中に、「フレッシュ」はなく、「グッド」という言葉が存在した。「グッド」とはなんだ? でも、ここにきて、魚は食べていない。その欲望が、私を動かした。

 「レッツゴー」

  私はそう言うと、ジャンギルの車に乗り込んだ。車に乗り込むと、彼は、今から食べる魚がいかに美味いかということを力説していた。要約すると、どうも、揚げ物らしい。

  「魚のフライか?」程度に理解し、またもや昨日と同じく、ジャンギルが言うには、「全て俺の店だよ」という商店街に到着した。
  そして、商店街の中の一軒の店………いや、店ではなかった。そこにあったのは、古ぼけた屋台。屋台の中で、大きな鍋には、真っ黒な油が煮立っていた。

 「あの色はなんだ?」

  特殊な油なのか? それとも、数日も油を変えていないのか?とにかく魚の前に、鍋の中の油を警戒していた。

 「ベリーグッドカープ!」

  ジャンギルは、屋台に到着すると興奮していた。よっぽどこの魚が好きらしい。

  それにしても、カープ。

 「カープって何だっけ?」

  率直に思った。カープ……カープ……カープ…「そうだ、広島東洋カープ…………鯉だ!」私は数十秒後に、カープの正体を思い出した。だが、今までまともに鯉を食したことがない。沼や池や川に生息し、けして美味な印象を持ちえていなかった鯉。その鯉が目の前に……。

  相変わらず横暴なジャンギルは、屋台主に、「早く出せ!この野郎!」と言わんばかりにまくし立てていた。ジャンギルはこの商店街に来るといつもこの調子だ。やはりボスなのか?

  そして、ジャンギルは私の目の前に、鯉のフライと思える物体を差し出した。日本でも記憶にないほどの食材である鯉をパキスタンで……。
  「ベリーグッドテイスト!」と、魚の輪切りをフライにしたものに、ジャンギルはかぶりついている。日本のように、食材を包む紙などない、そのままの状態で――手はベトベトになった。

   次の瞬間、ジャンギルは、私に強要してきた。「早く食べないと、冷めてしまうよ」というような内容で。
   鯉の輪切りなど見た目も美味しそうには見えない。真っ黒の油で揚げられ、お腹もやられそうだという予感がしてきた。だが、食べるしかなかった。ここで食べなければ、二人の関係に溝がはいるかもしれない。

  そして、私はゆっくりとその魚の揚げ物を口に近づけた。
   しかし、口に入れた瞬間、揚げ物にもかかわらず、「プ―――ン」という強烈な生臭い臭いと感触がしてきた。もう、耐えられないほどの悪臭が、私の鼻の中をかき回していた!ジャンギルの顔を見ながら、「揚げ物だよね!」と叫ぶが、彼は笑顔で「グッド?」と、指を立てていた。

  昨日のフレッシュなチキン以上の衝撃だった。衝撃以上に、内臓が受け付けない。淡水魚独特の生臭い臭いは、揚げ油にさえ勝っていた。
  しかし、ここで食べないわけにはいかない。せっかく美味しいものを食べさせようと親切心で世話をしてくれているジャンギルに対して、失礼にあたってしまう。そう考えると、無理をしても食べるしかなかった。

 「グッド……ナイステイスト!」

  心の中で涙を流し、内臓の中で胃液を必要以上に放出し、涙腺をせき止め、嗚咽をこらえ、

 「グッド!グッドカープフライ!」と、叫ぶしかなかった。

  そして、なんとかこの試練を乗り越え、ホテルへ帰着。世の中にあんな生臭い魚がいるということを、人生四半世紀にして学ぶことが出来た。
   だが、日本に帰って色々と調べると、カープというのは、日本でいう鯉だけではないら しい。つまり、広義でいう「鯉科」の魚。具体的には、草魚とか雷魚というような魚であったかもしれなかった。日本でイメージする鯉とは、程遠い存在であったのかもしれない。

  あの生臭さは、その後、中国に行っても、台湾に行っても、絶対に臭えないものだった。 懐かしいとともに、二度と経験したくないものとなった。

※次回12月29日(水)更新予定となります。→最新情報プロレスランキング

【高尾淳(たかおあつし)プロフィール】
1960年代後半生まれ。証券会社勤務を経て、現在は、関東地方の私立高校教師にして生徒指導部長。つくばユナイテッド柔道のコーチも務める。1994年に故ジャンボ鶴田、2010年には小川直也の家庭教師を務め、筑波大大学院へと導く。同級の小川直也とは公私ともに交流を持つ間柄。著書に「パニックマン〜ある体育教師のパニック障害克服記」(新潮社)、「ジャンボ鶴田☆三度目の夢」(ミルホンネット)等がある。

panicmanパニックマン 高尾淳著
ある体育教師のパニック障害克服記

飛行機や新幹線に乗ると襲ってくる「空間に押し潰される!」という恐怖。深刻でありながらもどこか少しユーモラス。「パニック発作」との6年に渡る攻防を、あえて軽妙に描いたエンタメ・ノンフィクション!

強面の生徒指導部長にして豪腕の柔道家。ストレスを溜め込む性格だという自覚は皆無。そんな体育教師が、突然、意外にもパニック障害になってしまった!?男は立場やプライドのために自分が不安と恐怖で飛行機や新幹線等に乗れなくなったことを隠し続けるが、あるとき、一種の責任感からパニック障害と向き合い、この疾患を克服しようと決意する―。その過程を軽妙に描いた体験録。

三度目の夢ジャンボ鶴田☆三度目の夢 高尾淳著
【ジャンボ鶴田から大学院生、鶴田友美への転身時に一番側にいた人物、高尾淳さんの書き下ろしノンフィクション。リング上からは想像もできない普通の大学院生のジャンボが見られます! 読むにつれ、当時のジャンボの様子が走馬灯のように思い出されました。 鶴田保子】

◆ジャンボの後は任せておけ!
高尾は俺に、「ジャンボ鶴田の再来」というが、俺は俺だから、ジャンボ鶴田を意識することはない。だが、「三度目の夢」を読んで思ったよ。四十三歳は、人生の下り坂ではないと。 偶然、ジャンボ鶴田と同じ道を歩むことになったが、俺はジャンボ鶴田を超える気でいる。絶対に負けるつもりはない。 だが、同じ大学院の先輩に対して、敬意をはらって言いたい。「鶴田先輩に開いていただいた道を、大事に歩みたいと思います」と。 推薦文・小川直也

121812
genome14

闘魂マフラータオル

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
オリジナル・チャンピオンベルト製作
〜トロフィーに代わるニューアイテム!〜
【チャンピオンベルト使用用途ベスト3】
1位 ゴルフコンペの優勝者へ
2位 結婚祝いへのサプライズプレゼント
3位 送別会での送り物
〜イベントが必ず盛り上がる!使い道、自由〜
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
抱き枕ならお任せ!オリジナル抱き枕
〜自分だけの仲間だけのオリジナルウェア〜
【オリジナルプリント専門ショップ】
Tシャツ/トレーナー/帽子/マグカップ
キーホルダー/のぼり/ストラップ
タオル/マウスパッド/クッション
バッジ/キーホルダー/ステッカー
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


abc123da at この記事を人気ブログランキングに投票13:06コメント(0)トラックバック(0)  mixiチェック
高尾淳のパキスタン紀行 | アントニオ猪木

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
熱血道
最新記事
T1honmei
猪木主演映画「ACACIA」
第22回東京国際映画祭出品作

◆「ACACIA」DVD発売中◆

「ACACIA」
アントニオ猪木
パチンコ、パチスロ機
猪木が猪木をぶっ壊す。
Categories