2011年01月05日

第9話 ハイエナとの出会い・・・高尾淳のパキスタン紀行

猪木が石井元館長と合体し格闘界再編に乗り出す!IGF、K-1、DREAMが中国で合同興行開催へ

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第9話 ハイエナとの出会い

 パキスタン到着五日目。その日は買い物に行くことにした。何故かというと、前述の通り、空港で荷物のほとんどを盗まれてしまったからだ。
 ホテルを出ると、ラホールの銀座とも言える、リバリティーマーケットを歩いてみた。
 とりあえず、パンツにTシャツ、ジーパンに……日本と比較して、冗談のような値段で買うことが出来た。

 そして、今回の買い物のメインであるジャージとスーツ。そして革靴を買いに。さすがにこれらの商品は高いだろうと、覚悟をして商店を訪ねた。

 まずはスポーツ店(のようなもの)に入ると、な…なんと……アディダスのジャージが……499ルピー! 日本円にして1000円弱だ。さすがはパキスタン。うれしくてしょうがない。黒系と青系のジャージを二着買い込むと、私は急いで帰る決意をした。

 なぜならば、先ほどから私の後ろをつけてくる人影が……

 「ヤバイ……かなりヤバイ!」

 男は、必要以上に私の後をつけてくる。口ひげを生やし、いかつい。いくら柔道をやっているとはいえ、かなりの恐ろしさを感じていた。そして、ホテルの玄関を入ろうとすると、

 「アナタ…ニホンジンデスカ?」

 (はあ?めちゃくちゃ流暢な日本語? ジャンギルやカディールとは違う!)

 「ワタシ、サイタマノ、カワグチニスンデマシタ…」

 「はあ?川口?メチャメチャ近いじゃないか?」

 「ナンデ、ココニ、イマスカ?」

 「柔道を教えに来たんだよ」

 「ソレハ、スゴイ。トコロデアナタ、ドコニスンデイマスカ?」

 「日本で?」

 「ハイ…ソレト、イマハ、ドコスンデイマスカ?」

 「日本では茨城県だよ。今はシャリマールホテルにいるよ」

 「イバラキデスカ? カワグチ、スゴクチカイデスネ。ソレニ、シャリマールデスカ」

 「そう、それにしても、日本語上手だね」

 「ハイ、ワタシハ、ニホンニ、サンエンイマシタ」

 「すごいね、三年もいたんだ? 日本では何をやっていたの?学生?」

 「……ワタシハ、ビザ、アリマセンデシタ。ワタシノボスハ・・・です(危ない人)」

 「はあ? じゃあ、密入国?」

 「イエ、ビザハ、トチュウデキレマシタ」

 「途中で?……じゃあ、その後は?」

 「ダイジョウブデス…ツカマルマデニ、サンネンハ、ハタライテイマシタ」

 「だから、それを密入国というんだ!じゃあ、俺は帰るから!」

 「チョットマッテクダサイ。アナタ、コマッタコトハ、アリマセンカ?」

 「はあ?ここに来て、困ったことだらけだよ!」

 「ソウデスカ…ジャア、ワタシガ、タスケマス。サポートシマス」

 「はあ?なんで?なんで君がサポートするの?」

 「コマッタトキハ、オタガイサマデス」

 「お互い様?すごい日本語知っているね?」

 急に現れた謎の男。優しそうな笑顔で、私の手助けをしたいという。信じていいものか……断るべきか。だが、そのときの私は、右も左もわからない、ただの柔道家。柔道は出来ても、この町で二ヶ月を過ごす能力も勇気も、気力も失われようとしていた時期。彼の流暢な日本語は、私の心をいやす、何よりも変えがたいものであった。

 「よし、あんたひまか?」

 このような失礼な言葉を、日本で話すことなどない。

 「ダイジョーブデス」

 「よし、それなら、今日は俺に付き合ってくれ。色々と困っているんだ!」

 「ダイウジョウブデス…デモ、タダデハコマリマス」

 「当たり前だ! よし、1〇〇ルピーでどう?」

 「1〇〇ルピーデスカ? ニホンダト、ニヒャクエンデスネ? カンジュース、ニホンカエマスネ」

 (こいつ……なかなか言うな!日本の相場で考えていやがる!)

 「わかった。あんたも日本にいたなら、1〇〇は少ないな! じゃあ、2〇〇でどうだ?」

 「ワカリマシタ、2〇〇ルピーデ・アンナイシマス」

 たかが、日本円で400円。されど、パキスタンでは脅威の4〇〇円。ホテルのボーイの給料が月1〇〇ルピー。

 そんな契約をした彼との、一ヶ月。彼の底知れぬ物欲に、私は閉口することとなった。 彼の名は……「シャヒット」。忘れようにも、忘れられない名前となってしまった。

※次回1月12日(水)更新予定となります。→最新情報プロレスランキング

【高尾淳(たかおあつし)プロフィール】
1960年代後半生まれ。証券会社勤務を経て、現在は、関東地方の私立高校教師にして生徒指導部長。つくばユナイテッド柔道のコーチも務める。1994年に故ジャンボ鶴田、2010年には小川直也の家庭教師を務め、筑波大大学院へと導く。同級の小川直也とは公私ともに交流を持つ間柄。著書に「パニックマン〜ある体育教師のパニック障害克服記」(新潮社)、「ジャンボ鶴田☆三度目の夢」(ミルホンネット)等がある。

panicmanパニックマン 高尾淳著
ある体育教師のパニック障害克服記

飛行機や新幹線に乗ると襲ってくる「空間に押し潰される!」という恐怖。深刻でありながらもどこか少しユーモラス。「パニック発作」との6年に渡る攻防を、あえて軽妙に描いたエンタメ・ノンフィクション!

強面の生徒指導部長にして豪腕の柔道家。ストレスを溜め込む性格だという自覚は皆無。そんな体育教師が、突然、意外にもパニック障害になってしまった!?男は立場やプライドのために自分が不安と恐怖で飛行機や新幹線等に乗れなくなったことを隠し続けるが、あるとき、一種の責任感からパニック障害と向き合い、この疾患を克服しようと決意する―。その過程を軽妙に描いた体験録。

三度目の夢ジャンボ鶴田☆三度目の夢 高尾淳著
【ジャンボ鶴田から大学院生、鶴田友美への転身時に一番側にいた人物、高尾淳さんの書き下ろしノンフィクション。リング上からは想像もできない普通の大学院生のジャンボが見られます! 読むにつれ、当時のジャンボの様子が走馬灯のように思い出されました。 鶴田保子】

◆ジャンボの後は任せておけ!
高尾は俺に、「ジャンボ鶴田の再来」というが、俺は俺だから、ジャンボ鶴田を意識することはない。だが、「三度目の夢」を読んで思ったよ。四十三歳は、人生の下り坂ではないと。 偶然、ジャンボ鶴田と同じ道を歩むことになったが、俺はジャンボ鶴田を超える気でいる。絶対に負けるつもりはない。 だが、同じ大学院の先輩に対して、敬意をはらって言いたい。「鶴田先輩に開いていただいた道を、大事に歩みたいと思います」と。 推薦文・小川直也

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